ソフトバンクと
ドコモのCMに見る
人々の「普通願望」

堀江 でも現実には、みんな洗脳されちゃってることなので、解決は難しいですよね。やっぱり普通の暮らしをしなきゃとか、周りと合わせなきゃっていう強迫観念が根付いてる。これはもう小学校の教育がそうなってるんで、恐らくそこに帰着していて。

 日本の場合は明治以来、国家のための国民、つまり兵隊を養成するための教育をしていて、等しく平等に国を守る義務があると。兵隊っていうのは皆と同じ行動を取るのが基本なので、人と違うことをしちゃダメ。いまだに学校でそう教えてるから。

 だから、社会人になったらスーツをビシッと着て、ネクタイ締めて、結婚して子供を2人くらいつくって、家と車を買って、子供たちを食べさせていかなければいけない、みたいな強迫観念にとらわれてしまう。それをやるためにはお金に困らないように……となるし、これをやってないやつは落ちこぼれだ、みたいな。

藤野 実はお金の話は全て、「僕らがどう生きるか」「どう生きたいか」という話が裏にある。格差の話も、何が幸せかって話ですよね。本来は、幸せの形っていろいろあって、お金があったら幸せかというと、必ずしもそうじゃない。

 NTTドコモとソフトバンクのCMを比較して見ると面白くて。ドコモの「ドコモダケ」の家族って、おじいさんとおばあさんと、お父さんお母さんも日本人で、子供がいて、全員五体満足で、全員普通。そこに何の疑問もないのは、これが普通なのか?っていうことに対する疑いが何もなかったんだと思うんですね。でも実際には、日本人同士じゃない夫婦もあれば、親が1人のこともあるし、子供がいない家庭だってある。

 一方ですごいなと思ったのは、ソフトバンクの「白戸家」のCM。お父さんが犬で、お兄さんは黒人で、イルカの親戚もいる。あれは孫(正義・ソフトバンク社長)さんの在日韓国人という出生も多分あって、「家族とは何か」「普通とは何か」っていう考えがあったんじゃないか。家族の形っていろいろあっていいでしょう?ってことだと思うから。

堀江 それは面白い視点ですね。