コンサバ日本は自然に治るが
それは淘汰の始まりだ

 では、日本の企業はコンサバティブな状態から抜け出すことはできるのでしょうか。

 多くの企業は内部留保をため込んでいますが、こうしたお金をうまく活用できるかどうかで生き残れる企業かどうかが明らかになってくると思います。でも、これはある意味、自然に起きること。つまり、私はコンサバティブな日本の状態はいつかどこかで自然に治ると思っているのです。

 たとえば、「失業率は低いのに、賃金が上がらない」という日本の状況は海外から見ると、ものすごく不思議です。さらに、「中途採用で転職すると給料が下がるのが普通」というのも理解できません。

 米国では「給料が上がるから転職する」のが転職する最も大きな理由です。外資系企業の進出や外国人経営者の増加などによって、こうした日本人の“常識”も少しずつ変わり始めているのではないでしょうか。

 一方、企業も優秀な人材を雇うためには、それなりの給料を支払わなければならないのは当然のことです。日本では、正社員は解雇できないため、非常勤や派遣社員を多く雇う傾向がありますが、これはよくないと思います。

 日本では正社員以外で働く人はおよそ4割ですが、立場が不安定な派遣などでは、長期的な意味で企業にとっても働く人にとってもメリットはありません。効率的な投資を考えれば、こうしたことも自然と改善されていくでしょう。

「なぜ金利がこんなに安いのに企業はお金を借りて投資しないのか」という問いも、海外メディアからよく出る質問です。極端な話、米国ならお金を貯めこんでビジネスチャンスを逃している経営者に対して、株主が訴訟を起こすはず。

 円安によって海外からのM&A(買収)や投資がしやすくなりますが、そのことによる外圧も、日本の変化を促すことになります。

 状況が変わりつつある今こそ、経営者も社員も自ら行動を起こさなければ生き残ることはできません。コンサバティブな状態から抜け出す意欲を持たなければ、明るい未来は決してあり得ないのです。