OPECによる原油価格維持機能は低下
原油は“特別なモノ”から“普通のモノ”へ

 ところが、世界経済の発展に伴い、石油化学を中心とした産業が大きく拡大し、エネルギー資源としても原油の重要性が一挙に増すことになった。また、当時を思い起こすと、「近い将来、原油資源が枯渇する」というローマクラブの提言などもあり、原油が“特別なモノ”との認識が広がり始めた。それに拍車をかけたのが、サウジアラビアなど中東の産油国を中心として結成されたOPECの存在だ。

 OPECの当初の加盟国が中東地域に偏っていたこともあり、イスラエルとの対立において原油を武器にするケースも多かった。その後加盟国が増えるのに伴い、OPECは原油の価格維持を行うカルテルの機能が鮮明化した。

 しかし、1970年代の2回のオイルショックを経て、北海油田を持つ英国やメキシコ、さらにはロシアなどの産油量が拡大したことにより、次第にカルテルとしても価格決定能力が減殺されることになった。

 そして、近年の米国のシェールオイルの産出拡大が、OPECの機能低下を決定的にした。原油供給サイドの構造が変わることで供給者にも競争原理が働き、原油はかつてのような“特別なモノ”から“普通のモノ”に変質し、少なくとも足元では「値段が高ければ買わない、安ければ買う」という状況ができ上がった

 オイルビジネスが大規模な装置産業であることを考えると、短期間に産出量を自在にコントロールすることは難しい可能性が高い。当面、原油価格は弱含みな展開になることが想定される。

 原油価格の下落は、基本的に原油の需要者側には大きなメリットとなり、供給者サイドには深刻なデメリットが及ぶ。その意味では、わが国のような需要者の経済にはプラスの効果をもたらし、株価は本来上昇してもおかしくない。