「将来予測」でお客さまの心を動かす

 お客さまに提示するデータは、必ずしも過去のものだけとはかぎりません。デタラメでは意味がありませんが、きちんとした根拠を前提とした、未来に対する予測も有効なツールになります。

 たとえば先の住宅の例でいえば、地震の統計なども使えます。

 「このあたりは過去何年おきに大きな地震が起きている」
 「だから、あと数年のうちに起きる可能性が高い」
 「ちなみに、前回の地震では◯◯戸の家屋が倒壊した」
 「だから、今のうちにしっかり対策を立てておく必要がある」

 といった具合に話を進めるわけです。自分でグラフや表をつくるのもけっこうですが、新聞や雑誌の記事の切り抜き、または白書などの既存データを利用すると、より真実味が増します。

 あるいは、自社や商品の“成長予想図”のようなものがあってもおかしくありません。

  「この商品は発売されたばかりですが、たいへん好評でよく売れています。このまま推移すれば、1年後にはシェア◯◯%、3年後には◯◯%になる予定です」

 ということを、グラフとともに説明するわけです。

 もっとも、地震の予測にしても商品の売れ行きにしても、100%確証のあるデータではありません。その意味では“ウソ”の情報を流しているともいえます。しかし、先のことは誰にもわかりません。肝心なのは根拠であり、しっかりしたものの見方です。そのための材料集めと、説得力のある説明の努力は欠かせません。