こうした住民との協働による議会の政策提言に対し、執行部側も真摯に対応している。すでに時間外保育料の一部無料化が実現されるなど、成果を上げている。また、議会側も提言するだけではなく、議員提案による条例化も実現させている。昨年9月に可決成立させた「集落振興支援基本条例」である。

 飯綱町議会は議会・議員が住民の中に深く入り込む努力をする一方で、住民が議会に足を運びやすくなるような策も講じている。中学生による「模擬議会」や一般質問を日曜日に開催する「休日議会」、さらには夜6時から開会する「夜間議会」などである。

 昨年の6月定例会では、一般質問を夜間に実施したところ、わずか3日間で2013年の1年間の傍聴者数と肩を並べたという。また、飯綱町議会は2014年8月から「議会だよりモニター」を57人に増やした。議員が作成する「議会だより」を議員が各モニターに直接配布し、まずは読んでもらって意見や要望、感想などを聞いたり、議会活動を住民たちの話題にしてもらうということを狙ったのである。

 寺島議長は「一人でも多くの住民に(議員個々のではなく)議会の応援団になってもらいたい」と語る。議員個人の活動ではなく、議会として活動を「見える化」し、住民に信頼される議会に変えていこうと懸命なのである。

「学ぶ議会」と「自由討議」が二大柱
政策立案を果たしてこそ存在意義がある

 ちなみに飯綱町議員の報酬は、月額16万円。年間の議会活動日数は、議員平均で121日間(2013年度)に及ぶ。「学ぶ議会」と「自由討議」を旨とする議会とあって、議員同士の切磋琢磨が当たり前となっている。議場で居眠りしたり、沈黙したままの議員はもはやいないという。

 中央官庁のコントロール下に長らくいて、前例踏襲主義に凝り固まってしまった自治体職員に、新たな発想での政策展開は期待できない。住民二―ズに合致した効率的な政策立案を進める上で、議会の果たす役割は重要である。執行部への監視もできない議会は論外であり、政策立案を果たしてこそ議会の存在意義があると思うのである。そして、それは決して絵空事ではない。