上田 毎年6月といえば、経済財政諮問会議で「骨太の方針」(経済財政運営と構造改革に関する基本方針)が発表される時期ですね。竹中さんは2001年の第1回目から4年間もその作成に携わって来ました。今回は、骨太の方針の現状や今後の見通しについて、お話をうかがいたいと思います。
そもそもこの骨太の方針、いったいどういう経緯で作られるようになったのでしょうか。
竹中 まず、01年1月に中央省庁の再編が行なわれましたが、その際に経済財政諮問会議が設置されました。会社に例えれば、それまでの省庁は完全な縦割り組織でした。普通の民間企業なら、営業部門や経理部門が連携して会社が回っていくわけですが、省庁では「財政や予算は大蔵省がやる」「経済は経済企画庁で見る」などと、職分が完全に分かれていたのです。
しかし、こんな会社はおかしい。本来なら経済や財政は社長である総理大臣が統括しないといけないはずです。それなのに、経理部長が社長の知らないところで重要事項を色々決めているような状態が続いていました。
そこで、社長である総理大臣が経済や財政に関わる重要事項を全て決められる体制を作るため、新たに諮問会議を設けたわけです。これは省庁再編の一つの目玉になりました。
出席者の4割が民間人
国民に開かれた諮問会議
上田 経済財政諮問会議はどんな会議なんですか? また具体的にはどんな規定があるのでしょうか。
竹中 会議では、部屋の真ん中に総理が議長として座ります。出席者については、内閣官房長官と経済財政政策担当大臣が必ず出席することになっており、他に出席する大臣はその都度総理大臣が指名します。
現在は財務大臣、経済産業大臣、総務大臣がほぼレギュラーとして出席します。以前行なわれた年金の議論では、臨時で厚生労働大臣が出席したこともありました(上の図)。