もはや確定拠出年金がメイン!?

 次に企業年金の制度について見ていきましょう。以前はメインだった厚生年金基金は、2012年のAIJ問題がきっかけで事実上廃止となり、加入者数は2002年度末の1039万人から2013年度末には408万人まで大きく減少しました。代わりに、確定給付企業年金は3万人から788万人へと急拡大しています。また、確定拠出年金も33万人から464万人へと順調に拡大しています。全体では、会社が運用リスクを負って年金額を保証する確定給付タイプ(DB)が減り、従業員の自己責任が求められる確定拠出タイプ(DC)の企業年金が増えています。

 このような劇的なDB減少の背景には、DBの債務認識の厳格化や積立不足に対して企業の柔軟な対処をしづらくしている硬直的なルールなどがあります。またDBからの主な移行先であるDCも低い拠出限度額や使いづらさにより、思うようには伸びていません。そこで今回の議論では、(1)DBにおいてはより持続可能な制度となるような改革、(2)DCにおいては企業や従業員にとっての使いやすさの向上、と言った点から議論が進んでいます。また、(3)DBとDCといった従来の枠組みにとらわれないまったく新しい制度も検討されています。

改革案の内容

 (1)については、DBは母体企業の利益操作に年金制度が活用されないよう、積立不足がない状態での事前積立が認められておりません。一方、積立不足のときは得てして企業業績も悪い場合が多く、追加掛金の拠出が困難になりますから、結果として企業年金の財政が不安定となってしまいます。改革案では、積立不足でないときにあらかじめ手当することを認めることで、年金制度の持続可能性の向上を狙います。

 (2)については、DBとDCの合計額に対して限度を設ける方向(DCにとっての上限引き上げ)で考えているようです。今までは退職給付制度をDCに一本化したいのに、限度額の存在によって実施できなかった企業にとっては喜ばしい変更です。(3)に関しては、集団運用型DCといった加入者全員でリスクをシェアする制度などが検討されています。