政府の総合経済対策のなかで、中小・零細企業への円滑な資金供給を打ち出す金融庁が、金融機関のいわゆる「5%ルール」を見直す方向で検討に入ったことが明らかになった。

 5%ルールとは、金融機関が事業会社の持ち株比率の原則的に5%以上を保有してはならないというもので、銀行法と独占禁止法で禁じられているもの。

 このルールを、物価高や原油高の影響を受けている一部の企業に関して撤廃。金融機関が5%以上保有することを認め、企業が経営不振に陥っても、機動的に資金を供給できる仕組みを作ろうというのが狙いだ。

 関係者よれば、金融庁はベンチャー企業や、再建できる可能性が高い中小企業を想定しているといい、すでに対象となる企業選定の基準づくりに取りかかっていると明かす。

 戦後、解体された財閥が、再度形成されないよう牽制する目的で導入されたという歴史的な背景もあって、長年、金科玉条のように扱われてきたルールだけに、「金融庁の本気さが伺える」と金融関係者は語る。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 田島靖久)
*詳報は『週刊ダイヤモンド』9月20日号(9月15日発売)に掲載します。