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7つの失敗から学ぶ デジタルマーケティングの原則

【最終回】「Zero to One」

田中猪夫 [一般財団法人 日本総合研究所 特命研究員]
【第9回】 2015年3月20日
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 また、書物から学ぶならば、花王の佐川幸太郎さん(「新しいマーケティングの実際」)や、キリスト教を世界宗教にしたパウロ(「旅のパウロ―その経験と運命」)にマーケティングの軌跡がまとめてある。藤沢武夫さんが前述の(10)で消費経済のパックスである米国を選んだように、パウロも当時のパックスであるローマをターゲットにした)なども、グローバルマーケティングの参考になる。

巨人の肩の上に立つ

 TPS(トヨタ生産方式)を創造した大野耐一さんは「トヨタでは、何が行われているのか」という質問に、次のように答えている。

 「我々は、お客様が注文してから、我々がその代金を回収するまでを時系列で見ています。そして、その時間を短くすることに取り組んでいます」

 大野耐一さんは課長時代に、係長の鈴村喜久男さんとともにTPSを「Zero to One」にした。そして、イスラエルのゴールドラット博士は、大野耐一さんという巨人の肩の上に立ちTOC(Theory of Constraints)を「Zero to One」にした。

 おこがましいかも知れないが、私たちも巨人の肩の上に立ち、そろそろ次のように答えるときが来たのではないだろうか。

 「私たちは、お客様がタッチポイントにタッチしてからの顧客体験価値と、納品され、満足するまでを時系列で見ています。そして、それらをより確実にし、時間を短くすることに取り組んでいます」

 長い間お読みいただき、ありがとうございました。本記事の著者へのお問い合わせはこちらまで。

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田中猪夫
[一般財団法人 日本総合研究所 特命研究員]

1959年11月19日、岐阜県生まれ。日本版システム工学を専門とする。20代に、当時発売したばかりのPCでのVARビジネスを創業。30代に、イスラエルITテクノロジーの日本への展開に尽力。40代には外資系ITベンダーの日本法人のマネジメントを務める。現在は一般財団法人日本総合研究所の特命研究員。「デジタルマーケティング経営研究会」を主催・運営。主な著書 『あたらしい死海のほとり』。問い合わせはこちらまで。

7つの失敗から学ぶ デジタルマーケティングの原則

なぜデジタルマーケティングに失敗するのか。問題は経営層、マネージャー層、そして現場のマーケターそれぞれにある。筆者が目撃した7つの失敗事例を分析し、それぞれの問題点と解決策を考える。

「7つの失敗から学ぶ デジタルマーケティングの原則」

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