見やすいエクセルを作るには、具体的にどうすればいいわけ? まずはタテ幅を変えるだけで、表は見やすくなります! 『ビジネスエリートの「これはすごい!」を集めた 外資系投資銀行のエクセル仕事術』の著者・熊野整氏による連載第11回。

 拙著『ビジネスエリートの「これはすごい!」を集めた 外資系投資銀行のエクセル仕事術』では、エクセルの見た目、つまりフォーマットの重要性について詳しく説明しています。過去の記事(外資系投資銀行の「ありえない」忘年会)でも紹介しましたが、投資銀行業界では、チームでフォーマットを統一することをとても大切にしています。

 では、見やすいフォーマットはどういうものか?

 まず、フォーマットを気にせずに作った表と、見やすいフォーマットの表を見比べてみましょう。図1-4を見てください。下の表のほうが見やすく、内容が頭に入りやすいと感じませんか? なぜ下の表は見やすいと感じるのか、その理由と、この表がどのように作られているのか、どこにどんな工夫がされているのか、その一部を本コラムで3回にわたって解説していきます。(書籍のほうでは、さらに詳しく解説しています)

行の高さ(縦幅)は「18」

 まず、この上下の表の違いの1つが、タテ幅なんですね。

 図1-5のようにエクセルのデフォルト(初期値)の行の高さ(縦幅)は一般的に「13.5」です。この高さのまま表を作ると、行間に余裕がなく、詰まった感じになります。そこで、行の高さを「18」にします。「13.5」から「18」に変えるだけで、文字の上下にゆとりができて、文字が見やすくなるとともに、洗練された印象の表になります。

 タテ幅の使い方1つでエクセルの印象はずいぶん変わるものです。そしてこういう工夫の積み重ねが、見やすい表を作る上で大切なポイントとなります。次回以降は、この工夫について、いくつか紹介していきます。