いよいよ夏休み。日本の大学のキャンパスならば、クラブ活動をする学生やゼミのミーティングにやってくる学生がまばらに歩いているだけで、のんびりした風景が見られる時期だろう。
ところが、スタンフォード大学は違う。普段はここでは見かけない小学生やティーネージャーたちがキャンパスのそこここに集い、混み合っているのだ。彼らは、スタンフォード大学が主催、あるいは共催するサマー・キャンプの参加者たちである。
6月初めから8月末までの3ヶ月間、スタンフォード大学で開かれるサマー・キャンプやワークショップ、会議の数は200件。参加者は合計で1万9000人にも上る。中には大人向けの専門的な会議もあるが、キャンパスの風景をがらりと一新させるのは、何と言ってもここに溢れかえる子供たちだ。
では、どんなサマー・キャンプがあるのだろうか。ちょっと覗いてみよう。
「EPGY(Education Program for Gifted Youth)」というのは、アメリカでよく耳にするプログラムだが、これは小学生や中学生、高校生などの中からとりわけ学力が高く、学習へのモチベーションも強い生徒を選んで行う「才能ある若者のための教育プログラム」だ。
スタンフォード大学にもEPGY研究所があって、普段からインターネットを利用したオンライン・プログラムを提供しているが、夏休みには中学生、高校生を対象に2~4週間にわたる泊まり込みの特別講習が3回ずつ開かれている。高校生向けのコースには「コンピュータ科学」「数学」「エンジニアリング」「法律」「ビジネスと経済」「創造的作文」などがあり、大学のカリキュラムかと思うほどの高度さだ。
実際、このプログラムは「大学教育をちょっと味わってもらいます」と謳っており、高校での勉強には飽き足らない生徒たちが全米から、いや世界中から集まってくるのだ。授業料は、生活費込みで4400ドルから5600ドルと、なかなかのお値段だ。
身体を動かしたい子供のためには、スポーツ・キャンプも種々そろっている。数日間の予定で開かれる男児用、女児用それぞれのバスケットボール、ホッケー、ゴルフのキャンプなど。元オリンピック選手が指導する水泳キャンプは、ナイキとの共同主催で開かれ、5日間で950ドルの参加料だ。