スマート冷蔵庫は
古くて新しいテーマ
家庭用のIoTに関する古くて新しい話題は、「スマート冷蔵庫」である。家庭の中心であり、食事の中心である冷蔵庫がインターネットに接続されたら何ができるのか、何をすべきなのか。メーカーや研究者らが、そうしたことをずっと考え続けてきた。
そんな長い歴史があるにもかかわらず、スマート冷蔵庫はまだ家庭に普及していない。予想以上に難しい課題だからだ。そんな冷蔵庫に代わって、スマート・サーモスタットやスマート照明、スマート・ドアノブなどがどんどん先に家庭に入って来ている状況だ。
それでも、これまでのスマート冷蔵庫の構想や早い時期のモデルはなかなか興味深い。
基本的に冷蔵庫利用のポイントは、常備食品の在庫を保ち、生ものを腐らないうちに使うこと、そして中味がいつも把握できることだ。
LG電子は、早くも2000年にそんなことができるスマート冷蔵庫を発表していたが、それは透明の容器に入ったミルクやジュースの残量を認識し、ドアに取り付けられたスクリーンが中に入っている他の食品も表示して、レシピまで呼び出すというものである。
マイクロソフトが未来像を描いたビデオで見せていた冷蔵庫も、残り物は何日までに食べるようにといった表示まで、透明のドアに映し出されるという気の配りよう。
またよく映画では、「ミルクがなくなった」と言うだけで、ミルクが注文されるような場面も出てくる。
そういう理想的なスマート冷蔵庫像は、なかなか捨て難く、最近の最新冷蔵庫はそれにだんだん近づいているようだ。中の食品管理がドアのスクリーンからでき、買物リストもそこから簡単に作成、それをスマートフォンに送ってくれるというものまである。