野田氏によると、今まで相続税がかかる人は全国的な割合で4%と言われていたが、今後は6%程度になり、地価の高い都心部では10%を超えてくるという試算もあるという。これは相続のノウハウを知る前に、大前提として知っておきたい知識だ。

少子高齢化の影響で増加する
兄弟相続、叔父・叔母相続とは?

 ここからは、最低限知っておきたい相続トラブルとその回避法をQ&A方式で紹介していく。その前に相続手続きの基本を押さえておきたい。

 「リーガルアクセス司法書士事務所」代表で、サイト「実家のたたみ方(R)」を開設し、地方の相続・不動産問題を取り扱う東京・渋谷の司法書士・辻村潤氏は、基本的な不動産の相続手続き・名義変更の一連の流れを以下のように示す。

1、相続人と不動産の調査/確定
2、相続手続き後の売却・贈与などの検討(※注1)
3、遺産分割協議(※注2)
4、相続登記申請

(※注1)この項目は辻村氏の事務所が独自に提案しているもの。必ずしも行う必要はないが、相続後にすぐ不動産を売却などすると、実家を相続しなかった人から異論が出て関係が悪くなるケースもある。特に代々続いてきた田舎の実家は、慎重に検討してから遺産分割協議を行うことを勧める目的があるという。
 
(※注2)遺言書がある場合は遺言書が優先するため、この流れにはならず、遺産分割協議は必要ない。

 相続は被相続人の配偶者と子どもによって行われるのが一般的だが、子どもがおらず両親も亡くなっている場合は、兄弟姉妹が相続人になる(なお、配偶者は常に相続人)。これについて辻村氏は、「亡くなった方の兄弟はそれなりに高齢なため、自分で手続きをするのも難しい上、どこに手続きをお願いすればいいのかインターネットで調べるのも難しく、情報が不足しているケースが多いです。ただ、今後も少子高齢化が進み、“兄弟相続”や独身の叔父、叔母の家を相続することになる人は増えると考えられます」と指摘する。