――睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、どのような治療が行われるのでしょうか。

解析室でモニタリングされる睡眠中の脳波や心電図などのデータ。睡眠検査技師が常時モニタリングを行う

 保険診療での第一選択肢になることが多いのが、CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)治療です。この治療法は、鼻に装着したマスクから空気を送りこんで、気道に圧力をかけ、睡眠中に呼吸が止まらないようにするものです。保存治療になりますので、自宅で治療を行うことができます。CPAP治療を継続することで、睡眠を正常に戻すことができ、欧米では患者の生存率を長期にわたって改善できることが認められています。また、重症ではない場合は、マウスピースを使って気道を広げる治療も効果的です。

 ただし、場合によっては、保存治療ではなく、外科治療を選択するケースもあります。たとえば、扁桃腺が大きい子どもの場合は、扁桃腺の切除手術が第一選択肢になります。大人の場合でも、CPAP治療を行って効果がみられず、鼻やのど、顎の骨格に問題がある場合は、のどや鼻の奥を広げる手術や顔の骨格を矯正する手術を行います。手術を行うことで、CPAP治療が必要なくなるまで改善することもあります。

 さらに民間の治療法になりますが、眠っている時に横向きに固定する抱き枕を使うのも一つの手です。“フラットフェイス”の日本人は、横を向いて寝ると呼吸がしやすくなり、重症度が半分くらいになります。ほとんどの人は寝返りをして、どうしても上を向いてしまいますが、この枕を使うことで、横向きでの睡眠を維持することができます。CPAP治療が合わない患者や、高齢者の患者には効果的ではないかと思っています。

――最後に、睡眠時無呼吸症候群を予防するポイントを教えてください。

 肥満にならないように気をつけるのが第一です。すでに太り気味という人は、普段の食生活を見直して、肥満度を改善するようにしましょう。また、子どもの頃の呼吸の習慣がよくないと、骨格の発達が悪くなり、将来的に睡眠時無呼吸症候群になるリスクが高まります。例えば、いつも口を開けて呼吸をしている子どもは、骨格の発達が悪く、気道が狭くなりやすい。こうした子どもには、親が注意して呼吸法を治してあげてください。