オールドメディアは「新しいメディア」と
どう付き合えばいいか
毎年、恐ろしく変化している産業ですが、とくに「新聞」「出版」「音楽」「劇映画」「テレビ」といった既存のメディア産業の規模が継続して縮小していることがわかります。しかし、たとえば「出版」では紙媒体の減少とともに電子書籍の売上高が伸び、2013年度に1000億円を超えました。紙と電子版を合計すれば出版物売上高の減少は止まっていることもわかります。電子書籍市場への参入は容易なので、今後この市場が拡大することになるでしょう。電子書籍購入者のジャンル調査(複数回答)によると、65.5%が「コミック」で、56.4%の「小説・文芸書」、34.5%の「ビジネス書」が続いています。
特集2で取り上げられている「新しいメディア」の動向をメディア産業の分類と合わせて考えると、おそらくこれらの組み合わせが増加することになります。電子書籍はその一例です。
「新しいメディア」とはこのようなものです。特集2の目次を引用します(カッコ内は筆者による)。
1 情報メディア多様化の変遷
2 4K・8Kテレビ
3 スマートテレビ(インターネットとテレビの統合)
4 Twitter TVエコー(視聴者の反応をTwitterで収集)
5 スマホ/タブレット
6 iPhone・iPad
7 MVNO・SIMフリー(格安SIMの拡大)
8 ソーシャルメディア
9 ウエアラブルコンピュータ
10 アプリ
11 サブスクリプションモデル(音楽の「定額配信」、出版物の「定額購読」など)
12 電子決済とポイントビジネス
13 020/オムニチャネル(インターネットを活用した現物販売)
14 デジタルサイネージ(電子表示による看板)
15 車とテクノロジー
16 ワールドカップとソーシャルメディア
既存メディア産業がこうした多様化するメディアをどう考えるかがポイントです。