別学校と共学校 それぞれの特徴と魅力

中曽根 女子校の話が出たところで、私学ならではの別学教育について話を移したいと思います。別学の特徴として、多感な思春期に異性の目を気にせず素の自分をさらけ出せるということがよく言われます。女子校ではどんなことも自分でこなせる子が育つ。男子校では、いろいろなタイプの子が共存しやすく、男同士の友情が育ちやすいようですね。

森上 男子校が共存しやすいということは、学校生活の中でいかにリーダーやフォロワーになる経験をさせるかに気を配る懐の深さがあるということでしょうか。少子化で一人っ子が多くなっているために、人との付き合いが苦手な子どもが増えていると言われています。小競り合いの経験が不足しているんですね。これまで重視されてこなかった人との恊働が重視されるようになるのはいいことですね。日本は大学入試が文化に影響を与えることが多いですから。

中曽根 共学の場合、女子にとって優秀な男子の存在が良い意味で女子に影響を与えているといいます。これは共学の魅力の一つですね。

学校を見極めるポイント

中曽根 最後に学校を見極めるポイントは何でしょうか。

森上 教員の年齢構成が多様であること。また、学校が何に価値を置いているかという点でしょう。教員の話し方を見ていると分かります。例えば開成は集団で何かを成し遂げるのに長けていて卒業生のネットワークも強い。プロジェクト学習も盛ん。反対に武蔵は群れるのを良しとせず、体育祭の応援も「一人で立て」という言い方をします。学習もとてもアカデミックです。麻布は元々自由な校風で体育祭もカラフルですね。出身者には文士や政治家、タレントも多い。桜蔭は皆優秀で成績を重視しますが、女子学院や雙葉は成績より自己の内面を重視する傾向があります。こうした学校文化も教員が長く務めることで伝承されるのです。これも公立との大きな違いです。

中曽根 グローバル化への対応という点では国際バカロレアやSGH(スーパーグローバルハイスクール)が注目されています。それらの認定校でなくても、国際交流プログラムを行なっている学校は多いです。

森上 そうですね。国の施策で留学の機会が大幅に増えていますが、全員が行事として海外経験をできるのは私学ならではですね。

中曽根 ICTの活用も今後注目が集まりそうです。それをどのように教育に活用しているのかを見極める必要もあると思います。主体的学習を教科学習にどのように取り入れるのかも課題です。

森上 高大接続でプロの研究者とのコラボや知の共有が進むといいですね。今後は教育のプロセスが重要視されていくと思います。どのようなプログラムを持っているかもチェックポイントです。いずれにしも、自分なりの学校の選び方をすることが必要です。

 

PROFILE
森上展安(もりがみ・のぶやす)
森上教育研究所所長。1953年岡山県生まれ。早稲田大学法学部卒業。87年森上教育研究所設立。私立中高の実態に詳しく、民間教育の立場から幾多の提言を行う私学教育研究の第一人者。新聞・雑誌への寄稿も多い。受験生保護者対象にほぼ毎週講演会を実施している。「わが子が伸びる親の『技』(スキル)研究会」(oya-skill.com

 

PROFILE
中曽根陽子(なかそね・ようこ)
教育ジャーナリスト。「現場取材と情報ネットワークで今を伝える教育ジャーナリスト」として活躍。子育て中の女性の視点を捉えた切り口に定評があり、教育雑誌から経済誌、新聞連載など幅広く執筆。中学受験に関する著書も『後悔しない中学受験』『子どもがバケる学校を探せ!中学校選びの新基準』など多数

 

[制作/ダイヤモンド・ビッグ社]