資産運用も「スループット」する時代

 ここで、「はっ!」とひらめくものがありました。それは、この連載のテーマである資産運用についても同じことが当てはまるのではないか、つまり資産運用も「スループット」を活用する時代なのではないか、ということです。ともすると、資産運用においてはしっかりとインプットしてからアウトプットしよう、つまり投資教育で基礎知識を習得したうえで、自分自身で運用しよう、という考え方が当たり前になっていると思います。でも残念ながら皆が投資教育を通じて資産運用の知識を高められるとは限りませんし、そうすることを望んでいない人も多いはず。しかも以前の連載でも触れたように、「行動ファイナンス」によれば、理解しても正しく行動できないバイアスが人間にはあるのです。であれば、資産運用を専門家に任せ、その結果をまさに「スループット」として享受することを考えても良いのではないでしょうか?

 これをオヤジ世代に馴染みのある経営戦略でたとえれば、今流行りのオープン・イノベーションに近いと言えるのかもしれません。オープン・イノベーションとは、足りないスキルや能力を外部から調達しコラボすることで足りない部分を補い、トータルでさらに良いものとすることです。これを資産形成に当てはめると、自分自身は得意分野である仕事に専念することでそこからの実入りを増やし(人的資本の増強)、自分の得意分野ではなく、しかも費やす時間もない資産運用については専門家に任せて自動的に運用してもらうことで増やしていく(金融資産の増加)。結果として人的資本と金融資産を合わせたトータルが増えていく、ということになります。資産運用が得意でない人にとってみれば極めて魅力的な選択肢になります。