インターネットを利用してニュースなどを読むとき、関心をもつ内容と出会ったら、それをメモに取る習慣をもっている。先日、そのメモをチェックしたら、次のような内容の報道が蘇ってきた。
米カリフォルニア州のメンローパークに本社を置くフェイスブック社は総工費1億2000万ドルをかけて、394戸の社員用集合住宅を建設中、という。
シリコンバレーの各IT企業がさまざまな福利厚生を打ち出しているが、フェイスブック社員が受けることのできる福利厚生サービスには、無料の食事、会社が企画する映画上映会、ヘアサロンなどがある。しかし、最も力の入ったものは間違いなくこの社員用集合住宅だった。
住宅エリア内にはプールやトレーニングジムからペットセンターまで完璧な付帯施設が揃い、またエリアからは徒歩で会社へ行くことができる。20世紀に中国やアメリカで見られた職住近接型住居を思わせ、食事・居住・医療の問題がすべてエリア内で解決できる。毎日の通勤時間も車で5分だけで済む、とメディアでは報じている。
中国の経済開発区も
人材確保のため待遇改善
以上の報道に、私が驚いたのは中国の国名が出ていることだ。考えてみれば、確かに近年、経済開発が進む中国の沿海部に、職住近接型住居が備えられている経済開発区がよく見られる。働き手を確保するために、経済開発区は都市計画を考える際、当初から社員寮の設置を計画に組み込んだ。
最初の頃は、この種の社員寮は公営住宅の中でも格安版のような感じの建物だった。それでも地方から出稼ぎに殺到してきた労働者たちは感激していた。仕事場に近いだけではなく、家賃も非常に安いというメリットがあるからだ。