3位以下は再編必至
次なる台風の目はダイドーか

 一方で、業界3位以下の飲料メーカーは苦しい戦いを迫られることになりそうだ。とりわけ、今回の争奪戦にも意欲的に参戦していた3位アサヒ、5位キリンホールディングスにとって、宿敵サントリーにJTを奪われることだけは避けたかいはずだ。

 装置産業で、生産量が増えれば増えるほど収益性が高まる「スケールメリット」を享受できる飲料業界では、自販機販路の確保はメーカーにとって生命線だ。にもかかわらず、アサヒの自販機台数は28万台、キリンに至っては21万台と、2強とは3倍近くの差がつくことになってしまう。

 また、サントリーが、自販機販路で生んだ利益を原資に、小売店への販促攻勢を仕掛けることも予想される。財務的に体力の劣る3位以下メーカーが価格競争で対抗するのは厳しい。

 まさしく、今回の争奪戦は、飲料業界の勢力図を一変させる「天下分け目の戦い」(飲料メーカー幹部)だったのだ。

 もっとも、今回の買収劇が起爆剤となり、3位以下のメーカーを中心に業界再編が加速する側面もあるだろう。その台風の目は、26万台の自販機を保有するダイドードリンコだ。

 現在、ダイドーは、自販機に依存しない経営を目標に掲げている。700億円の潤沢な金融資産を元手にM&Aをもくろんでおり、ヘルスケア事業への本格シフトを検討している。実際に昨年は、医薬品製造大手企業の入札にも参画していたようだ。ヘルスケア事業へのシフトの延長線上には、「飲料部門の売却があるとの観測もある」(業界関係者)。

 そうなれば、再び飲料メーカーが食指を動かすのは必至。飲料業界再編の号砲が鳴った。