テスラは、高級EVとキーデバイスのシェアを狙っている
A.バッテリー、正確に言うとバッテリーのマネージメントシステムは、EVにおけるキーデバイスであることは間違いありません。
今一番実用的な高エネルギー密度のバッテリーはリチウムイオン電池ですが、過充電されると爆発してしまうという危険性があり過充電にならないようにマネージメントする必要があります。
テスラの技術が優れているところはまさにそこなのです。彼らはEVの生産のためにバッテリーを作っていますが、恐らく高級EVでブランド力をつけて、バッテリーシステムのメーカーになろうとしているのではないかと考えています。
EV 時代では、完成車メーカーはパソコン組立メーカーと同じく差別化が難しくなり薄利多売に陥ります。そうならないように、利幅の高いアップルのMacのよう な高級EVと、PCで言うところのCPUやメモリにあたるキーデバイスでのシェアを取りに行こうと考えているのだと思います。
前向きではない増資に使われる可能性も
A.今回の解禁は、年間50万円まで、そして上限も一億円と中途半端な印象です。また、株主への対応を考えた場合、200人以上の個人株主が一気に増えることになるので、その事務手続きを考えるとそれだけ集める意義があるのかちょっと微妙だと思いました。こういった理由から、本来であればもっと多くの額を集められるようにすべきではないのかと感じています。
実際に期待度の高いまともなベンチャー企業であれば、この制度を使わずとも有力な投資家から一億円程度のお金はすぐに集められます。ということは、この制度を使うのは「あまり有望でない(と思われている)ベンチャー企業」か、「資金を使い尽くして新しい増資ができにくい企業が個人に活路を見出す」といった、あまり前向きでない増資に使われる懸念があります。投資家は、そういった点を注意したほうがよいのではないかと思います。