一時期、流行った「ゼロ円住宅」。定義は主に3つほどあるが、状況が変わり、絵に描いた餅と化したものもある。
太陽光発電で住宅ローンがチャラ!?
「ゼロ円住宅」とは何か
住宅ローンの上限は、およそ年収の7倍までが相場と言われている。それ以上のローンを組めば、非常に苦しい生活が待っていることだろう。しかし、そんな制限をとっぱらう奥の手として人気を集めたのが「ゼロ円住宅」。何らかの手段で“お金を産む”家にするという発想だ。一口に「ゼロ円住宅」と言っても、実は定義は3つほどある。
1/太陽光発電で電気を売って、光熱費をゼロにする
2/太陽光発電で電気を売って、住宅ローンを返済する
3/自宅に賃貸住宅を併設する、いわゆる「賃貸併用住宅」を建設して、賃料でローンをまかなう
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1と2の売電でのゼロ円住宅は、2012年7月に施行された、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)によって誕生した。
総出力10キロワット以上なら、20年間にわたって全発電量を電力会社に買い取ってもらえる。一方、10キロワット未満なら、買い取り期間は10年。家庭で使用した分を差し引いた、余剰電力を買い取ってもらえる。
1は非常に分かりやすいし、実現性の高いプランだ。実際に実証実験でも可能であることが分かっている。ただし、「1日に3回風呂に入る」など、極端に光熱費を多く使う生活をしなければ、の話だ。