Q.Z会を運営する増進会出版社が「栄光ゼミナール」などを運営する栄光ホールディングスを完全子会社化すると明らかにしました。合従連衡が進み、スマートフォンアプリの企業参入も増えている教育業界ですが、今後どういった企業が生き残ると思いますか?

実践的な技術やテクニックをもつ教育産業と
世界レベルで優れている教材企業が生き残る

A.教育業界に限った話ではなく、これからはグローバル競争激化の時代に入りますから、トップダウンで迅速な経営判断ができるところでないと生き残れず、業績が悪化して他社に吸収されるか潰れてしまうでしょう。

 また長期的に教育業界を見ると、大学というものが持っているブランド力がどんどんなくなっていきますから、大学を頂点とした日本の受験ヒエラルキーは崩壊していく方向ではないでしょうか。

 これからはより実践的ですぐに社会で役立つような技術やテクニックなどを教えていく教育産業が伸びていく気がします。教材そのものは、「カーン・アカデミー」から「TEDx」などまで世界的に優れているものに集約されていくでしょうから。

 短期的には受験産業の残存者利益を追う方向で、今回のようなM&Aの流れが続くのではないでしょうか。

Q.新著『あえて、レールから外れる。逆転の仕事論』(双葉社)からは、会社を辞めて活躍する人々のインタビューを通じ、「没頭できる仕事を選べ」と伝えたかったように感じます。会社勤めの人にどのようなメッセージを届けたかったのでしょうか?

仕事とか別に選ぶもんじゃないよ
好きなことにハマって、それでいいじゃない

A.メッセージを届けたかったというよりは、いわゆる引かれたレールとかはないんだけれど、「勝手にそういうレールがあるって勘違いして、息苦しく生きている人なんかには目もくれず、まあ俺たち勝手に楽しくやってるよ」と自慢している本です。

 仕事とか別に選ぶもんじゃないです。好きなことにハマって、それがたまたま商売になって金を稼ぐことを意識しなくても生きられる、というか……。そもそも登場人物には会社員経験ない人のほうが多いでしょ。私も含めた登場人物の大半は、仕事を選ぶって概念すらないのだと思いますね。

 常識に縛られていると、こういう質問をしてくるのだと思います。タイトルは編集者が提案してきのですが、このタイトルに引きずられている感はありますよね。

 なので、もっと心をクリアにして、というか、子どもの頃の感覚に戻って読むといいのだと思います。