さらに、目を中国国内旅行に向けると、市場の大きさに圧倒されてしまう。2013年、中国国内の観光地などを楽しんだ中国人旅行者はのべ32億5000万人に上る。視点を変えてみれば、努力次第では、日本に来る中国人観光客はいくらでも増やすことができると言っても過言ではない。

 しかも、「爆買い」といった新語が生まれるほど、中国人旅行者の消費力が注目されている。すでに数年前から、中国人旅行者数だけではなく、その消費金額もアメリカとドイツを超え、世界一となっている。そこにビジネスチャンスを見出している日本の企業や団体もこの頃、急増している。

複雑だったビザの取得を
欧州各国が相次ぎ緩和

 しかし、中国人観光客を誘致することが大事だと理解したのは日本だけではない。ヨーロッパでもこの頃、中国国民に対するビザ発給の利便をはかるためにいろいろな措置が打ち出されている。

 特に、最近、イギリス・ドイツ・イタリアが相次いで中国国民に対するビザ緩和政策を打ち出した。

 6月19日、イギリス内務省が発表したところによると、中国国民に対するビザ申請手続きがより簡略化され、中国人観光客およびビジネスマンは、北京・広州・上海にあるビザ発給所でイギリス・ビザとシェンゲン・ビザを同時に申請することができ、何度も足を運ぶ必要はなくなる、という。

 ちなみに、シェンゲン・ビザとは、シェンゲン協定加盟国すべてに有効とする訪問ビザのことを言う。オーストリア、ベルギー、デンマーク、チェコ、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イタリ ア、ラトビア、リトアニア、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、 スイスなどがその協定の加盟国だ。

 協定国の一つの大使館及び総領事館で発給されたビザを所有すれば、短期での観光、出張、訪問を目的として最長6ヵ月間に90日の滞在、すべての加盟国への自由な移動が認められる。

 この新しいビザ申請手続きは7月1日からスタートとなる。同一の申請書類を使って、ネットでイギリス・ビザとシェンゲン・ビザを申請し、料金を支払い、発給日時を予約すれば手続き完了である。申請にかかる時間を短縮するため、イギリスでは10作業日以内にビザ申請の受理と決定を行う予定である。