G7で謳った温室効果ガスの削減目標
年末のCOP21で合意を目指すが…
6月7・8日にドイツ・エルマウで開かれたG7サミットで、「世界の平均気温の上昇を2℃未満に抑えるために、温室効果ガスを2050年までに2010年比で40~70%の上方で削減することを目標とし、COP21(気候変動枠組条約第21回締約国会議)での合意を目指す」という旨の首脳宣言が採択された。
ここで言う「2℃未満に抑える」とは、産業革命前に比べて気温上昇を2℃未満に抑えるという意味で、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が国際目標として提案していたものである。
COP21は、今年12月にパリで開かれる。そこでは、2020年以降の温室効果ガス削減に係る国際的な枠組みを決める予定だ。今回は、世界のエネルギー起源CO2排出量の約45%を占める米国と中国などの主要排出国が、排出量削減の目標設定に初めて参加する。
まず、しっかりと認識しておく必要があるのは、日本のエネルギー起源CO2排出量、温室効果ガス排出量のシェアは、ごくわずかだということだ。直近の統計データで見ても、それぞれ3.8%、2.8%にすぎない(資料1、資料2)。
◆資料1 エネルギー起源CO2排出量の各国シェア
◆資料2 温室効果ガス排出量の各国シェア