まずは、目先の利益である「(1)掛金拠出時の節税効果」を具体的に見てみよう。

=会社員が個人型DCに年24万円拠出した場合の節税効果=
(家族構成は専業主婦の妻と中学生以下の子2人)

【ケース(1) 年収700万円】
この人の所得税率は10%、住民税は10%
節税効果:(掛金)24万円×(10%+10%)=4万8000円

【ケース(2) 年収800万円】
この人の所得税率は20%、住民税は10%
節税効果:(掛金)24万円×(20%+10%)=7万2000円

※上記の計算に復興増税は考慮していない

 24万円の掛金に対し、安くなる税額が4万8000円とか7万2000円というのは節税効果がかなり高いといえる。例に取り上げた「中学生以下の子ども」がいる世帯は、民主党政権時代に「子ども手当」創設の財源捻出のために扶養控除が廃止になっているので、2011年以降増税になっている。現在の児童手当は増税分よりも少ないので、少しでも増税分を取り返したいものだ。

 では、第3号の主婦の場合はどうか。税金を納めていない人は戻る税金がないため節税効果はない(厳密に言うと、パートで年収103万円を超えて130万円までの人は、ほんのわずかに節税効果がある)。

 収入のない専業主婦(年金制度の第3号被保険者)が個人型DCに加入して払う掛金は、自分の貯蓄を取り崩さない限り、夫の収入から出すことになるだろう。夫が掛金を負担するなら、夫が所得控除を受けることができそうに思うかもしれないが、残念ながらできない。

 国民年金の保険料を納付書で払った場合は、生計を共にしている家族なら本人以外でも「社会保険料控除」を受けることができる(なので、所得税の税率が高い人が控除を受けるのがトク)。

 これに対し、個人型DCの掛金は、所得控除の「小規模企業共済等掛金控除」というグループに該当し、本人以外は控除を受けられないルールとなっている。運営管理機関などに支払う手数料などもかかることを考えると、自分の収入がなく、節税メリットゼロの主婦が喜んで加入するとは思えない。