民主党の圧勝と、自民党の歴史的な敗北で終わった衆議院選挙ですが、その裏では、新宗教団体による代理戦争も行われていました。特集の冒頭では、どの宗教団体がどの政治家を支援したのか、小選挙区の単位で紹介しています。また、なぜ民主支持にいたったのか、歴史的な背景も解説しています。
新宗教団体は政権交代の一因ともなるほど巨大なわけですが、その存在は厚いベールに包まれています。
日本の宗教法人が発表している信者数を合計すると2億1000万人と、日本の全人口1億2700万を余裕で上回ります。
「日本人は無宗教」とは、人口に膾炙されたフレーズのはずですが、これはどういうことでしょうか。意外にも日本人は宗教に対して関心が高いのでしょうか。
1人で複数の団体に入信している人の存在が総信者数をかさ上げしている側面もあるでしょう。
しかし、信者数や拠点数などの基本的なことから、収入や支出と行った財務関連まで、外部に正確なデータ公表する義務が宗教法人にはないことも、大きな一因なのです。信者数は全て彼らの言い値を信じるしかないわけです。
外部の人間からは、まったく伺い知れない宗教法人の内幕。ほとんどの団体は取材拒否のため、当初は難航を極めました。しかし、現役や元幹部、宗教学者、宗教ジャーナリストの方々に取材を重ね、現在勢いのある新宗教の独自情報を含め、その一端を覗けるような特集となっています。
突如、国政に参加を宣言した幸福の科学。「財務状態は宗教界のトヨタ」と豪語し、500冊以上の書籍を出版する同団体の拡大モデルとは何か。
日本最大の影響力を誇る創価学会の後継者問題、日産村山工場跡地を買収するほどの脅威の資金力を誇る真如苑、タイで70万人の信者を獲得している世界救世教、上祐史浩オウム真理教元幹部のインタビューなどなど、巨大宗教団体やかつて世間を揺るがした団体の最新事情が盛りだくさんとなっています。
同時に、ラブホテルで荒稼ぎした新宗教や、カルト宗教の歴史、スピリチャル人気など、傍流新宗教の話題やトラブル事例も紹介しています。
さらに、20大新宗教の教義や歴史、日本の宗教の歴史、など保存版としても価値のある資料も並びます。
ぜひ、ご一読ください。
(『週刊ダイヤモンド』編集部 新宗教特集取材班)