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「学び」はどこへ向かうか?――ITが拡張する教育の現場

品川女子学院、聖光学院の生徒たちが、
ITを活用した学びで得たものとは?

野本竜哉 [iOSコンソーシアム文教ワーキンググループリーダー]
【第1回】 2015年7月21日
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 20名の生徒は訪問先にて英語でのプレゼンテーションを課されていた。そこで、チームごとにプレゼンの準備をする際にEvernoteを活用。生徒や教員がすぐに認識したのが、"瞬時の情報集約"と"時間・距離を離れた共有"の利便性だ。

 生徒達は
・訪問先企業に関する資料をEvernote上に集約し、それを元にプレゼンのアイデアを練る
・Evernoteの「ワークチャット機能」を利用し、離れた場所のメンバーと相談しながらプレゼンを作成

 といった形で共同作業を行った。同校では品川女子学院と異なり、ICT機器を生徒に配布したり、学校として一括導入しているわけではないが、クラウド型サービスは一般にデバイスやOSを選ばないため、生徒は手持ちのPCやMac、スマートフォンからEvernoteにアクセスすることで、上記のような作業を行うことができた。学校として特別な環境を用意しなくても、手持ちの機器の活用と効果的なクラウドサービスを紹介することで、生徒が大きな利便性を手にすることができることを端的に表した事例といえよう。

両校がICT利用シーン
について意見交換

品川女子学院でシリコンバレー訪問の成果を発表する聖光学院の生徒たち

 品川女子学院と聖光学院の両校は5月下旬、双方の海外研修の成果とICTの活用について意見交換を行った。参加者は両校合わせ25名程度で、いずれも高校1~3年生だ。

 まず、聖光学院が前述のシリコンバレー研修にて、現地でアイデアソンに参加したこと(関連記事:「日本の中高生も参加、シリコンバレーで開かれたアイデアソン」)や、Google、Evernoteなど現地企業のオフィスを見学したことを報告。参加した生徒達は、現地で英語に苦しんだり、それぞれに課題を実感しつつも、一様に達成感を得ていたようだった。

聖光学院がEvernote社で行った提言の一部

 なお米国研修でEvernote社を訪問した際、聖光学院の生徒達は“Evernoteユーザー”として、サービスの利点や改善要望などを高校生の目線からプレゼンを行った。その内容を見て驚いたのは米Evernoteの開発チームだ。

 数週間Evernoteを使った高校生達の提言は、彼らが日々ディスカッションしている課題と驚くほど一致しており、大変な反響であったという。

 次に品川女子学院がシンガポールにて、中国、オーストラリアの学校と共同で「CBL(Challange Based Learning)」を実践する海外研修に参加したことを報告。CBLは、アクティブラーニングの一種で、未知の課題発見、解決策立案に加え“解決策の実践”までを行う方式だ。

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野本竜哉
[iOSコンソーシアム文教ワーキンググループリーダー]

のもと・たつや/一般社団法人iOSコンソーシアム文教ワーキンググループリーダー。大学受験時に数年来の疑問がweb上の動く教材で氷解した経験から、教育のITによる拡張を志向する。公教育から教育ベンチャー(EdTech)の動向の追跡や、企業と教育者を集めての月例勉強会、文科省協賛イベントへの出展などを主導している。

「学び」はどこへ向かうか?――ITが拡張する教育の現場

近年急速に進みつつある教育分野のIT化の現状について、特に小学生~高校生向け教育の現場と周辺の動きを取材。急速に動き出した私立学校のIT化に加え、公立学校(市町村・都道府県の教育委員会)で起きているITを活用した教育の“拡張”を紐解いていく。

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