港南台タウンカフェから始まるパラレルキャリア

 港南台タウンカフェの壁面は、小箱ショップと呼ばれる棚ショップになっています。約100の棚に仕切られ、手づくり雑貨品や作品などの展示販売が行なわれています。毎月の利用料と販売手数料さえ払えば誰でも利用できる仕組みですが、キャンセル待ちになっているほどの人気ぶりです。

 誰でも小箱ショップのオーナーになれば、パラレルキャリアへと一歩踏み出したことになります。また、タウンカフェでは、小箱オーナーたち自身が交流すること(小箱サロン)を促しており、ショップの運営をよりよくしていくための話し合いは自主的に行なわれています。手づくり募金と呼ばれる災害支援の募金、「キャンドルナイトin港南台」という地元を巻き込んだイベントも、小箱サロンの話し合いで生まれたアイデアです。

 タウンカフェの運営やさまざまな活動は、ボランティアのスタッフによって担われています。そこには高校生、大学生、ひきこもりの人から70歳の地域住民まで、さまざまな人たちが参加します。たとえばタウンカフェの大掃除を多様な人たちで行なうというボランティアであれば、いつしか自然に会話をし、お互いに少しずつ溶け込むこともできるのです。

 ここまで見てきたとおり、サードプレイスとは、小さなことでいいから、さまざまなことに個人として参画し、自主的にアイデアを出す場ではないでしょうか。このように、サードプレイスとは人がつながる場であり、そこで小さな一歩を踏み出すことができます。

 あとは、単純に楽しいということです。サードプレイスはまったりとした、楽しい場です。パラレルな人生にサードプレイスがあることで、さまざまな楽しみが広がっていくのではないでしょうか。