社内プレゼンはビジネスパーソン必須のスキル。ところが、多くの人が苦手ではないでしょうか?何度も却下されたり、差し戻しにあったり……。そこで、ソフトバンクで孫正義氏から「一発OK」を何度も勝ち取った著者が、秘伝の『社内プレゼンの資料作成術』を全公開。シンプルな資料で100%の説得力を生む、「超」実践的なノウハウをお伝えします!

必ず「結論」と「根拠」はワンセットで示す

 ロジカルなプレゼン資料をつくるためには、重要なポイントがあります。それは、必ず「結論」と「根拠」をワンセットで提示するということです(下図参照)。しかも、その「根拠」は可能な限りデータで示さなければなりません。

本連載第4回以降で例示している小売企業のケースで具体的にご説明します。
 このケースにおいて、まず「接客接遇研修」を提案するのであれば、なぜ、「清掃の徹底」や「外装の変更」よりも「接客接遇研修」を優先するのかについて説得力のある根拠(データ)を見せる必要があります。

 そのためには、下図のように、「顧客アンケート」の結果、「接客接遇」が顧客の不満足要素のトップであることを示さなければなりません。そうすれば、決裁者は「なるほど、たしかに接客接遇改善を最優先にすべきだ」と納得してくれるに違いありません。

 このように、プレゼン資料は必ず「根拠(データ)→結論」をワンセットで示さなければなりません。これが、ロジカルなプレゼン資料をつくるうえでの大鉄則なのです。

鉄壁なロジックの組み立て方

 さらに、この「根拠→結論」が、本連載第5回で示した「課題」→「原因」→「解決策」→「効果」というプレゼン・ストーリーとうまくかみ合うように構成します。

 具体的に見てみましょう。下図をご覧ください。
 これは、「来客数の減少」という課題に対する解決策を提案するプレゼンのスライドです。

 プレゼンのストーリーは次のとおり。まず、「来客数の減少」という課題の原因は「顧客満足度の低下」にある。この原因を解決する最重要ポイントは「接客接遇の改善」。だから、「店長に対する接客接遇研修の実施」という解決策を提案する。すると、「顧客満足度が90%にまで上昇」という効果が期待できるというわけです。

 このストーリーは、「なぜ?」「だから、どうする?」「すると、どうなる?」という因果関係がしっかりとロジカルに組み立てられています。さらに、次のとおり、「課題」「原因」「解決策」「効果」の「根拠(データ)」も、すべて明確に示されています。

●「課題」=「来客数の低下」←【根拠】来客数低下を示すグラフ
●「原因」=「顧客満足度の低下」←【根拠】顧客満足度低下を示すグラフ
●「解決策」=「店長への接客接遇研修の実施」←【根拠】顧客アンケート
●「効果」=「顧客満足度が90%にまで上昇」←【根拠 他社の実績データ

 このように、「課題」→「原因」→「解決策」→「効果」というプレゼンのストーリーが、しっかりと「根拠→結論」で支えられていることが、ロジカルなプレゼン資料の条件なのです(下図参照)。

(本稿は、『社内プレゼンの資料作成術』より一部を抜粋・編集したものです)