詰め込み型教育が
時代にそぐわない

「やったー、できたー!」

 今年7月5日、石川県金沢市のセミナー施設では、小中学生ら約30人の子供たちがコンピュータゲームに興じていた。カラフルな色の布が敷かれたテーブルごとにグループに分かれ、マックブックを広げ歓声を上げていた。

金沢市で開かれたプログラミングイベントでは、小中学生たちがゲームを作る喜びを感じていた
Photo by T.K.

 子供たちは単にゲームをやっているのではない。地元の石川工業高専生らに教わりながら、ゲーム作りのプログラミングを体験していたのである。

 実はこれ、金沢市と米シリコンバレーに住む子供たちの国際交流を図るプログラムの一環で行われた。運営にはIT教育ベンチャーのライフイズテックが携わり、場所は金沢市が提供した。

 どの生徒も生き生きした表情。実際「最初に楽しかった経験があれば、将来の選択肢が広がる」と原綾香・同社アカウントプランナーは、早期にプログラミングに触れる意義を語る。視察していた山野之義・金沢市長も「社会に出たときに心的なハードルが低くなる」と話していた。

 10年後、20年後には、幼少時代からオンラインサービスに触れて育った子供たちが当たり前のようにプログラミングをし、新しいサービスを生む時代が訪れる。

 今の子供たちは生まれたときからインターネットに触れている世代だ。ある社会科教諭は「生徒に、『ネットで検索すればすぐ出てくるのに、なぜいちいち首都名を覚えなければならないのか』と聞かれ、答えに窮した」と言う。

 インターネットで常につながっている今、工業化社会で求められた知識詰め込み型の教育が時代にそぐわなくなっているのである。

*  *

 7月16日、東京・有楽町で開かれた教育・人材系イベントの講演会。教育関係者や企業の人事担当者たちが、米エバーノートの外村仁・日本法人会長が話す米国の教育事情に耳を傾けていた。

「子供がクラスメートと8時に待ち合わせだというので何かと思ったら、グーグルのクラウドサービスを利用して一緒に宿題をしていた」と外村氏。グーグルにはオンラインで共に作業をできるツールがあり、子供たちはその機能を実に上手に活用している。

 さらに、「宿題といっても、インターネットで調べものをしながらレポートを書くということが多く、他の生徒が書いたレポートも使ってよい。そもそも日本と訓練されている能力が違う」(外村氏)。

 米国の学校ではもはや、検索できるような知識を習得することに大した意味を見いだしていないようだ。その点で今、世界の注目を集めているのが、米国で14年9月に開校したオンライン型のMinerva(ミネルバ)大学だ。