市場の変動にさらされる家計
さらに為替が無視できない要因に

 私たちの生活により直結し、消費支出の項目の中で最もシェアの大きい食料の項目も詳しく見てみよう(下の図参照)。その中で最も比率が高いのが外食であるが、これは1万4663円と前年(1万4336円)からほとんど変わっていない。支出が減少しているのが主食である穀類だが、コメの下落をパンの上昇が相殺する形となっており、海外からの輸入品の価格上昇が影響していると考えられる。

出所:総務省 拡大画像表示

 これら以外の項目は全て上昇している。商品価格は農産品も含めて軒並み市場価格が下落しているのだが、その中で食料品価格が上昇しているのは、生産地からの輸送や最終製品に加工するまでの時間差が価格転嫁(値下げ)を遅らせているためだ。原材料調達は前もって計画的に行われるため、その時の市場価格の下落や上昇が直ちに最終価格に転嫁される訳ではない。

 また、為替の絶対水準が円安に傾いていることも、食料価格が下落しない要因の1つと考えられる。1~3月期に関しては消費税増税の影響もあるが、基本としてはやはり、原材料調達時点の商品価格の上昇や円安の影響が大きい。

 最も支出が増加しているのは畜産品だ。米国の食肉価格の指標となる肥育牛価格は高止まりしており、2014年1~6月比で見ると、ドル建ての価格は18.4%高の215セントドル/ポンド(473セント/キログラム)で取引されている。これに円が17.4%の下落(円安)となったことが影響した。

 農産品のドル建ての価格は豊作見通しで下落しているものが多いが、高水準の円安進行がこの効果を相殺している。次に上昇額・率が大きかったのは生鮮野菜だが、これについては円安進行に伴う輸入品価格の上昇に加えて、国内の天候状況の悪化(高温など)が影響しているためと考えられる。

 つまり食料でも、ほぼ全量を海外から輸入しているエネルギーと同様、国際市況に加えて為替の変動の影響が大きくなっていることを意味する。今後は海外から輸入を行っている輸入業者や加工食品製造業者のみならず、我々消費者も、より国際市況や為替動向の変化に対する意識を高めていく必要があるのではないだろうか。