日本との関係について、ロシアは日本を揺さぶり、西側諸国の連携に穴を開ける余地があると考えているのだろう。安倍首相はプーチン大統領と良好な関係を維持し、日本は大統領の年内訪日を実現するつもりがあると踏んでいるのだろう。ロシアにすれば日本はそれでも米国との関係を優先させるのか、という問いかけのつもりかもしれない。

大規模な軍事パレードを準備する中国
対日歴史問題での方針は

 ロシアに対するアプローチを考えるうえでも、同国が連携を強化しようと働きかけている中国の最近の動向に注意しなければならない。

 8月14日に発表された戦後70周年の安倍談話に対する中国の批判は、抑制されたものであった。侵略やお詫びの言葉は盛り込まれたが間接的であり、誠意がないといった批判が新聞などで行われているが、中国政府に関する限り、談話で反日ナショナリズムが燃え盛るような事態を招くような真正面からの批判は避けたということなのだろう。ここには対日関係改善の意図は見える。

 しかし同時に9月3日に開催される抗日戦争勝利70周年記念日に向けての宣伝は活発に行われており、国産による新しい装備を誇るような本格的軍事パレードが準備されているようである。このような軍事パレードは当然中国のナショナリズムを高揚させることに繋がっていくのだろう。ここにはプーチン大統領や朴大統領の出席も想定されており、対日歴史問題では結束するという演出を行うのだろう。

 ただ中国当局の最大の優先事項は経済成長の維持である。先般の上海株式市場での株価大幅下落へのなりふり構わぬ対策や、元の切り下げを意図した為替介入などは、成長率が低下しつつある中国経済への悪影響を怖れたからなのだろう。

 日本との関係においても、日本からの投資の停滞が中国経済とりわけ地方経済に悪影響を与えており、これ以上の関係悪化は得策ではないという考慮が働いている。従って歴史問題での牽制は継続する一方で、経済関係を大きく損なうような反日暴動は今後とも抑制することを基本方針としているように見受けられる。

 このような状況の日本にとってのインプリケーションはどういうことか。幾つかの論点を整理する必要がある。