新たな目標を設定する理由

入山 上場を目指すと発表されましたが、それも資金面の問題が大きいんでしょうか。

木谷 どちらかというと、これはファンに我々と目標を共有していただくためですね。ブシロードが新日本プロレスをグループ会社化して3年半が経ち、昔から応援してくれているファンは「もうこれで新日本プロレスはなくならないだろう」と安心している頃なんですよ。目標がなくなっていると思うんです。だから新しい目標を設定したんですよ、「上場する」ぞって。

入山 ファンに向けて目標を打ち出すというのは、面白いですね。

木谷 上場を目指すと発表した時に、他にも色々な発表を行ったんです。その中で、何が一番お客さんに受けたと思います?実は、「リングサイドのカメラマンを減らす」という発表が、一番お客さんの反応が良かった。

入山 へえ、それはなぜですか。

木谷 見づらいんです。リングサイドはより高いお金を払っているのに、近くにカメラがあるせいで試合が見づらいんです。昔からの流れで残っている習慣、既得権益化している部分がプロレスにはまだまだあるんです。こういった部分も変えていこうとしている最中です。

入山 そういったところも削ぎ落して、コンテンツ自体の質を、もっともっと高めていこうと。

木谷 そうですね。まだ最初の頃のものが残っちゃっているんですね。ストロングスタイルや、テレビだけにぶら下がっていた宣伝活動など、色々削ぎ落としてきたつもりですが、まだ落としている最中です。古い商習慣など人間が絡んでいるところが、一番落としづらいんですよ。