なぜ、赤ちゃんにも
「静の時間」が必要なのか?
今度は、お母さんがあおむけになって、赤ちゃんを両手で高くもち上げ、早さを調節しながら胸もとへ下げます。だんだん速くして、少しほうり上げてみると、喜ぶようになります。
これは、お母さんの顔が近づくのではなく、自分の顔が近づく、それもかなり速いスピードで近づくということのちがいを、感覚として身につけてもらうのです。
自分で移動できるより速くものが近寄ってくることと、自分が近寄ることとのちがいを覚えるのです。これは自分が大きく動いて、速く動きながらものを見る訓練の遊びです。
どの遊びにでもある訓練を兼ねていますが、終わるときはあおむけや、うつぶせにして両足をのばすようにさすりおろし、身体をさすってやり、C線維カレス系システム(→『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』をご参照ください)を働かせ、「ハイ、終わり。今度はひとりで遊んでいてね」と言って、お母さんは赤ちゃんをひとりにしておきます。
声をかけ、手をかけてすごす時間が赤ちゃんにとって「動」とするならば、赤ちゃんにも「静」のときは必要なのです。
遊びは楽しく無理をしないことが大切です。
平衡感覚に鋭感な子どもは器械体操が上手になりますし、かんたんにころんだりしません。
たとえころんでも、けがをしないよう上手にころびます。