――日本人の感情は急激に悪化しているように感じます。

 間違いなくここ数年で悪化しましたね。嫌韓にも2つあって、1つはメディアの報道を通して嫌韓感情が煽られ、韓国に対する理解が浅いながらも何となく嫌っているタイプです。

 もう1つは、これまで日韓関係の改善を願って、歴史を勉強するなど真剣に行動をしてきた人が、韓国の強硬な姿勢にうんざりし出したパターン。

 嫌韓感情の悪化も、メディアの責任が大きいと思います。特にタブロイド紙や週刊誌では、事実ではないことも過激な見出しと共に掲載されています。

 例えば、韓国経済が今にも崩壊するかのような記事がありますが、あまりに現実とかけ離れています。確かに、中国の減速による輸出の鈍化や、セウォル号の事故、中東呼吸器症候群(MERS)の影響による国内消費の冷え込みなどで、韓国経済は厳しい状況にあります。しかし、崩壊するようなレベルでは到底ない。

 新書がベストセラーになったように嫌韓と書けば売れるんでしょうけど、国民感情の悪化に拍車をかけていると思います。

――当面、日韓関係はこのまま冷え込んだままなのでしょうか。

 確かに、ここ数年の日韓関係は最悪でした。ただ、11月の頭に開催される日中韓首脳会談の際には、日韓二国だけでの首脳会談も同時開催される可能性が高く、少しずつ関係改善の方向に向かう予兆はあります。

 ましてや、韓国は環太平洋経済連携協定(TPP)に参加したがっています。そうなると、当然、日本に対しての強硬姿勢を続けるのは難しく、自然と日韓関係の回復に向かわざるを得ない状況が整いつつあります。

 ただし、強調しておきたいのは、日韓関係で重要なのは国民感情だということです。両国の軽率な行動が、国民感情の悪化に繋がり、ひいては、関係悪化の引き金になってしまう恐れがある。日韓政府はそのことを肝に銘じて、外交政策にあたる必要があるでしょう。