営業が苦手なほうが
継続的に売れるようになる

美崎 僕はもともと技術者なので、営業ができないタイプです。パーティのような場で、たくさんの人に会ってPRするのは苦手なんです。

和田 私も美崎さんと同じで心が折れやすいのですよ。

美崎 そうなんですか? 意外だなあ。

和田 営業って全然できない人のほうが結果が出るものです。

美崎 どういうことでしょうか。

和田 どこに行ってもいきなりトップ10に入るような営業マンがいますよね。ガンガン契約をとっていく狩猟型です。一方で、農耕型が営業できないかというと決してそうではない。畑を耕してじわじわ人と仲良くなってファンを作って、いずれは大きなリンゴをいっぱいもぎとるんです。農耕型のように嫌われずに打席に出ているタイプのほうが継続に強いし、私もそちらのほうが好きです。

美崎 だから和田さんの手帳は、結果だけじゃなくて行動量も記入できるつくりになっているのですね。納得!

和田 そうです、大切なのは結果じゃなくてプロセスです。私は部下を近くで見ているから日々の頑張りがわかります。でもトップの人間は結果しか見ないので、人が数字になっちゃうんですよね。50万円の人とか、3000万円の人とかいうふうに。もちろん結果が出てないと意見も言えない世界だと思いますが、これから結果が出る人もいる、そんな人たちの可能性を見出すにはその人の行動量も評価したいんです。評価があって自信がつくからこそ、結果につながるからです。

美崎 僕のルーティンで、「毎日15分営業する」というのがあります。昔お世話になった方に「最近こんなことをしています」とメールするだけなんですけど、仕事につながることがあるんですよ。農耕型ときっと同じです。「これを買ってくれ」みたいな直接的なアプローチでなくても、やるべきことをやることでチャンスは生まれると思います。