人の相性は
ランチの1~2時間で判断できる

美崎 僕は会社辞めてから仕事もプライベートもない人です。すべてが自由な時間なので好きなことしかやっていません。

和田 それは私も同じですね。決してプライベートがないのではなく、いちいち区別する必要がなくなったということですが。

美崎 そうすると周囲からは、「それでよくやっていけますね」みたいなことを言われるんだけど、好きなことを楽しみながらやっているほうが生産性はあがります。

やりたいことを書くことで、流されない人生になる

和田 おっしゃる通り。仕事が楽しいとそれは一瞬にして「趣味」となる。だから、仕事がつまらないと思っている人は仕事で学べる何か一点の光を見つけて「楽しい」と思うことが、難しいかもしれないけど大切になってきます。

やりたいことを書くことで、流されない人生になる美崎栄一郎(みさき・えいいちろう)1971年、横浜市生まれ。大阪府立大学大学院工学研究科を修了後、花王株式会社で約15年勤務、プロジェクトリーダーとして活躍。独立後は、商品開発コンサルタント、作家、講演家など様々な顔を持つ。仕事のツールにはこだわりがあり、仕事の効率とクオリティを上げるために、さまざまな工夫を行ってきた。文房具朝食会(東京、大阪、名古屋で社会人がボランティアで開催している勉強会)や文房具を併売している書店(紀伊國屋書店・三省堂書店・丸善・カネイリ・川又書店)でも、仕事のアウトプットを上げるためのツールの使い方を紹介。初の著書『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)は、現役サラリーマンのノート術のノウハウを公開した書籍として話題になりビジネス書のベストセラーに。ほか『iPadバカ』『iPhoneバカ』『Facebookバカ』(アスコム)など著書多数。近著は、『「結果を出す人」は、エクセルをどう乗りこなしているのか? 』(仕事の教科書BOOKS)。

美崎 すべてが自分の時間だからこそ生産性を上げることに尽力できるし、それによって他の時間が生まれます。常にそういう意識で行動しているので、気が向かない人と食事していたら早く帰りたいとか思っちゃいます(笑)。

和田 思う思う。人生の時間には限りがありますからね。1年の晩ご飯も365回しかない。時間を大事にしたいからこそ、誰と過ごすかは重要ですよね。

美崎 はじめて会う人はディナーじゃなく、ランチがおすすめですよ。1~2時間話しているとどんな人なのか大体わかりますから。それくらいの時間は、惜しくないというか。

和田 はい、私もそうしますが、お酒が好きなのでついつい夜でもいいかなと思って、結果しんどくなって後悔することもありますね(笑)。

美崎 最近はありがたいことに会ってほしいと言っていただけることが多くなりました。ただ、すべてにお応えしていたらとても時間が足りません。会いたい気持ちはあるのにご無沙汰になっている方もたくさんいますしね。さてどうしようかと……

和田 え、どうするんですか?

美崎 予約のとりにくいレストランを6名くらいで押さえておくんです。誰をご招待するかは決めずに。日が近づいたらスケジュールが合う方を集めて、全然面識がない同士も含めて食事をするんです。新たなご縁が生まれることもあるし、意外とおもしろいですよ。これをやりはじめてご無沙汰感がなくなりましたね。

和田 なるほど! そういえば私も大勢で「〇〇会」と名前をつけて人と会っています。けれど、結局、3回は食事しないと私は本質的なつきあいというか、仲良くなれないんです。そういう意味で、パーティとかは面倒になってくる。集合時間30分前になると突然どうしたって行きたくなくなることがあるんです。

美崎 ですね。パーティでは人脈をつくるというよりは、元々仕事をしていた方とのご縁をつなぐために、旧交をあたためる感じかな。

和田 大勢の人と必死になって名刺交換しなくても、ご縁は日常にあるような気がします。やはり、私は「量より質」をとりたい、大勢の人と社交辞令的な会話を繰り返すより何度も同じ人と会って深く掘り下げた話をしたほうが、会話そのものが豊かだと思っています。