江田氏は続いて、維新の会(当時)に接触した。維新の会は、石原慎太郎氏・平沼赳夫氏らのグループと、橋下徹氏らのグループの間で、政策不一致による対立があったが、江田氏は橋下グループとのみ政策協議を行った。これに反発した石原氏らが、2014年8月に「次世代の党」を結党し、維新の会は分裂した。2014年9月21日、江田氏、橋下氏は共同代表となり、新たに「維新の党」を結党した。これが2014年末までの、江田氏の野党再編の動きであった(第92回・5p)。

 この連載では2015年の野党再編の動きとして、以下の可能性を指摘していた(第92回)。

(1)「大阪都構想」が実現するならば自民党と組むことになんの躊躇もない橋下氏と、野党再編のコアである「壊し屋」江田氏は袂を分かつ。

(2)江田氏のグループは民主党との合流を図る。ただし「壊し屋」江田代表は単純な吸収合併に甘んじることはない。民主党内のリベラル系を追い出すべく、駆け引きを挑む。

(3)「原理主義者」の岡田民主党代表は、党を分裂させる決断は難しいかもしれない。むしろ、労組という確固たる支持基盤を持つリベラル系が、離党という決断をしやすいかもしれない。

(4)民主党リベラル派が離党することになれば、「保守系」「リベラル系」の政策志向別の野党再編が遂に完成することになる。

 2015年になり、確かに江田氏は「寄り合い所帯」と批判される野党第一党・民主党を標的として接近していた。だが、「大阪都構想」の是非を問う住民投票で敗れ、江田憲司代表は「橋下氏を引退に追い込んでしまった」と語り、党代表を辞任した(第107回)。そして、安保法制の国会審議が紛糾する中で次第に存在感をなくしていったように見えた。

 しかし、安保法制成立後に起こった維新の党の「分党騒ぎ」と「民主党解党」の動きは、野党再編が、概ね上記に沿った形で進んでいることを示している。その動きの中心が、一見、存在感が薄れたかに見えていた「壊し屋・江田憲司」であることは、間違いないだろう。

「政策別野党再編」には、
壊し屋・江田憲司による荒業が必要だ

 筆者は、「壊し屋・江田憲司」の野党再編への動きを、肯定的に捉えている。なぜならば、次の野党再編は「政策別」に行われるべきだからである。