ロケット開発以外の手段で、コスト削減と宇宙ビジネス展開を狙う企業もある。例えば「宇宙エレベーター」だ。

宇宙エレベーターでロケット打上げ
完全民営のロケット射場で効率化

ソステクノロジー社の宇宙エレベーター
出所:Thoth Technology
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 カナダのベンチャー企業、ソステクノロジー(Thoth Technology)社は、宇宙エレベーター構想を進めている。同社の宇宙エレベーターは、与圧モジュールを積み重ねて成層圏程度の高度20kmまで達するもので、米国で特許を取得した。成層圏の上からロケットを打ち上げることで、地上での打上げに比べて3分の1程度のコスト削減につながるようだ。

 同社は、前出のスペースX社に対し、ロケット打ち上げコスト削減策として、この宇宙エレベータの屋上に垂直着陸型の第1段エンジンを帰還させることを提案しているという。宇宙エレベーター実現の鍵は、カーボンナノチューブ(*)と言われているが、現時点でどこまで研究開発が進み、どれだけ実現可能になったかは不明である。

 その他に、ロケット打ち上げサービスについてトータルでコスト削減を実現しようという事例もある。

ロケット・ラボ社の完全民営ロケット射場 ※動画
出所:Rocket Lab
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 3Dプリンタなどを活用した打ち上げコスト削減策を打ち出しているロケット企業であるロケット・ラボ(Rocket Lab)社は、完全民営のロケット射場の整備を検討している。従来、官が主導となって行っていた射場の運営が完全民営化されれば、ロケット組立作業の効率化、打ち上げオペレーションの効率化、打ち上げに関わるハードウェア・ソフトウェアを含むシステムの最適化、打ち上げ後の射点の修理・改修の効率化などにより、打ち上げ準備期間短縮やコスト削減が期待できる。

*カーボンナノチューブ:炭素原子が極小の筒状になった物質。様々な特性を持つが、軽くかつ極めて強度が高いため、宇宙エレベーターの素材として期待されている。現在、安価に大量生産する方法を世界で競って研究中。