おカネを貸してすらくれない!
詐欺化するヤミ金

 さらに近年特徴的なのは、特殊詐欺とヤミ金の境目がなくなってきていることだ。

 たとえば、事業者向けで多いのが「優遇金利」詐欺。年率1%台といった超低金利を提示し、申込書を書かせて「事務手数料」などと称して先に債務者におカネを振り込ませる。しかし、この事務手数料は返ってくることはなく、その後、おカネを貸してくれることもない。つまり、単におカネを巻き上げられて終わり、という詐欺なのだ。

 また、「白ロム詐欺」のヤミ金版も跋扈している。白ロム詐欺とは、携帯電話やiPadなどを契約させ、SIMカードが入っていない「白ロム」という状態で買い取る、と持ちかけるもの。被害者は、実際には端末だけを取られておカネをもらえなかったり、高額の端末利用料請求に苦しむことになる。かつては「高収入のアルバイトをやらないか」と持ちかけられた若者が被害者になるケースが多かったが、最近では多重債務者がヤミ金から「おカネは貸せないが、白ロムなら買い取る」などと持ちかけられるケースが増えている。

 こうした業者たちは、被害者の住所や氏名、電話番号を手に入れ、それを名簿化している。途中でいかがわしさに気づき、被害を免れた場合でも、個人情報を取られてしまうというケースもある。

「多重債務者の多くは、長年にわたって個人情報をさらしておカネを借りることに慣れきっているため、自分の個人情報を守ろうという意識が希薄。そして当然ながら、犯罪者たちの口車にも乗りやすい」(捜査関係者)。つまり、この名簿は悪徳業者たちからすれば、引っ掛けやすい人のリスト、いわば「カモリスト」なのだ。こうして一度でも悪徳業者と接点を持ってしまった人は、繰り返し詐欺業者に接触されるという悪循環に陥ってしまう。