ステップ(2)
大きなかたまりからMECEに分解

次に実際に、論理思考を実践してモレが出ないように分解していく。
直感で出したアイデアは、ひとまず脇に置いておこう。
モレなく分解していくときに注意すべきことは、次の2点だ。

・ 大きなかたまりから順に分けていく
・ 明確な境界線で分けていく

まず意識してほしいのが、より大きなかたまり、つまり課題なり問題なり事象なりを「上流」(できれば最上流)で分解する軸を探すようにするということだ。それが見つかったら、あとは上から下に順に分けていく。

あまりにも小さなかたまりにフォーカスしすぎると、その分、モレの範囲が大きくなりかねないからだ。
そもそも日頃の「アイデアの見落とし」というのは、より上流での分岐を見落としていることで、広い範囲をごっそり考え損ねてしまうことから起きている。

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また、分けるときには境界線をはっきりさせよう。
たとえば自動車を「価格」という軸で分けるのであれば、「200万円」という境界線でモレなく分けることができるし、「ボディの形状」などでも明確に分けることはできるだろう。

こうしてまず軸を考えることがモレのない分解を行うコツなのだが、こういう話をすると、「では、軸そのものはどうやって発想すればいいのですか?」という質問を受けることが多い。
理屈上は、軸そのものもまたロジカルに考えることができてしまう。だが、それでは一種の無限後退に陥ってしまいかねないし、何よりも時間がもったいない。
これに対する答えはシンプルである。軸や境界線もまずは直感で出していけばいい。