特別講演に立つ張富士夫・トヨタ自動車名誉会長 Photo:Mitsufumi Ikeda

「ムダを見つけ、『ナゼ』を5回繰り返すことで、真因がわかり根本的な改善につながることになる。また、現場は常に変化している、常に何が問題か目で見る管理で全員が改善していくことが必須条件だ。

 目的は、ムダを省いて原価を低減すること。それには皆でやる全員参加が大事で、誰でもわかる『目で見る管理』が前提だ。品質は100パーセント良品が大前提。原価を下げて利益を出すことが使命であり、『利益=売値-原価』であることを、耳にタコができるほど聞かされてきた。

 米ケンタッキー工場の立ち上げでも、『カイゼン』の品質が海外で通用することがわかり、これを徹底した。伝承できる基本的なものの考え方、人の知恵は無限であり、これらのことを特に若い人に申し上げたい」

管理職の改善から家庭との両立まで
ブースで見聞した様々な事例発表

 この張トヨタ自動車名誉会長の特別講演を聞いた出席者は、それぞれの事例発表に向かい、各事例発表ブースは参加者でごった返すほどの盛況ぶり。筆者も人混みを抜けるように取材可能な事例発表ブースを歩いたが、それぞれが満員状態で熱気に包まれていた。

 ちなみに筆者が見聞した事例発表ブースの主なものは、「水性塗料配管洗浄方法の改善(トヨタ自動車九州)」「管理職にも改善活動を(日野自動車)」「長期鋼材在庫削減(愛知製鋼)」「働くママの活躍!業務変革で家庭との両立を(デンソー)」「QC検定全社推進の取り組み(アイシン精機)」「国内関係会社様へのQCサークル支援方法の改善(ダイハツ工業)」など。事例テーマも様々であった。

 ステージ事例発表では、「笑顔を力に!~みんなの笑顔の実現へ、新米リーダーの奮闘記(トヨタ自動車田原工場)」「管理職の職場マネジメント改善~新しい職場でのゼロからの取り組み~(豊田合成)」を聴講したが、いずれも会場は満員で立ち席も出るほどだった。トヨタ田原工場の事例は、当初は「やらされ感」が強かった工場案内を、若手女性リーダーがどのようにチームをまとめて改善していったか、豊田合成の事例は、若手部長が新任部署で部員スタッフとのチームワークをいかに固めたか、というもの。彼らが奮う熱弁を、聴講者も熱心に聞き入っていた。

 ここで、この「オールトヨタTQM大会」の50回の歴史を振り返っておこう。スタートは1966年(昭和41年)の「第1回オールトヨタ品質管理大会」であり、当時はトヨタ自動車を主体として、豊田自動織機、デンソーなどグループ8社によるものだった。