普天間問題で浮上した社民党

 社民党が頑張っている。今のところ党の支持率は微増程度だが、参院選に入ると無視できない存在になるかも知れない。

 なぜなら、自民・公明の旧与党と民主党・国民新党の現与党は、「辺野古への移設」で妙に足並みを揃えてしまったからだ。

 世論調査(5月31日毎日)では、辺野古への移設に反対する人が84%に上るのに対し賛成はわずか6%に過ぎない。荒っぽく言うと、この6%の中に二大政党は封じ込められたことになる。

 今回の参院選では、この普天間移設問題が最大の争点にならざるを得ない。「普天間基地をどこに移設するか」をはっきり答えることはきわめて難しい。各党が最も頭を悩ますところだ。

 だが、社民党は違う。反対の84%を背景に辺野古移設反対の先頭に立つことができる。

 今回の福島瑞穂社民党党首の活躍には目を見張るものがあった。2日、辞任を発表した鳩山由紀夫首相と好対照であっただけに一層注目を浴びることになった。

 私は、この問題について福島党首や社民党とはかなり考え方に隔たりがあるが、1人の政治家の言動としては評価を惜しまない。

 あとは社民党の一致結束が課題だろう。また不信任票や問責決議票への対応も注目される。

民主党との選挙協力に
未練を残す人も?

 社民党内には未だ参議院選での民主党との選挙協力に未練を持つ人がいるようだ。そんなことでは「84%の人」がかなり戸惑うことになろう。

 また、辻本清美氏(前国交副大臣)はどうしたのだろう。政治の中では大筋を通すために小筋を断念するのは当然のこと。対人のために涙を流すのは仕方がないとしても、いやいやながらの辞任では筋が通らなくなる。

 朝日(5月31日)はこんな記事があったので驚いた。

「辻本氏は前夜、党幹部に電話で『何で辞めないといけないのか。福島さんの代わりに誰かを入れればいいだけだ』と語った」