大人の美意識を押しつけてはダメ
私の体験では、3歳ごろから美意識も芽生えてきますが、大人の感覚を押しつけてはいけないのです。
幼児のほうは自由に表現しても、お母さんの手本はよく観察して実物になるべく近く描くことです。
絵本にも、ときどき抽象的な絵があります。
そんなとき、私は形にとらわれずに、
「とてもやわらかいね」
「この色、好きだよ」
「こんな花があると面白いね」
などと言って批判せず、眺めさせておきます。
また、あまりにも変わった感覚でとらえた絵本は避けました。
それよりも、しっかりと対象をとらえることが大切です。
幼児の間は、写実的なものでよいと考えています。
色の好みでいろいろ心理状態がわかるのですが、それにとらわれることなく、幼児の好きな色、ピンクならピンク、青なら青と、同系統の色を数多く集めて見せてやり、同じ色でもいろいろあることを知らせます。
息子たちには、同じ木の葉でも濃く見えたり黄色く見えたりすることを指摘して、
「ほら、木の右側はちょっと黒っぽく見えるね」
などと話しただけでしたが、あとで多くの色を使って彩色することをし始め、単彩画をいっぺんに卒業しました。
本人が微妙な色合いの違いを観察できたのでしょう。
いろいろなことを試して、美意識を育ててあげてくださいね。