同じような商品・サービスを扱っているにもかかわらず、楽しそうにラクラクと稼ぐ人がいる一方で、思うように稼げず苦悶にあえぐ人もいる。
その違いは、年齢や経験、持って生まれた才能によって生まれているとは限らない。
稼げない人も、稼げる人と同じように努力はしているだろう。しかし、結果には大きな違いが出る。
その原因は、ほんの一語の違いにあったのだ。
その一語の違いをまとめたのが、この道25年「日本のトップマーケッター」神田昌典氏による、一番やさしい、すぐ使えるコピーライティングバイブル『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』だ。
本書では、たった一語の差で、貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」が公開されている。
今回は本書より一部を抜粋・編集しながら、たった一語で天国と地獄に分断される「怖さ」と、一語変えるだけで大きく現実が変わる「面白さ」を見ていこう。

「売る努力は同じでも、売上が2倍になる人」のすごい考え方Photo: Adobe Stock

【貧す人】と【稼ぐ人】の決定的な一語の違い

今回紹介するのは、「価格競争に陥らない法則」である。

【貧す人】ターゲットは、“これ
【稼ぐ人】ターゲットは、“これ”と“あれ

価格競争で一時的に勝者になったとしても、低価格により利益が薄い中で会社を成長させ続けることは、天才経営者でもない限り無理。

そこで価格競争が始まると、【稼ぐ人】は、価格競争をする必要のない分野を新たに見出そうとする。

実は、競争が激化する成長期の後半は、市場が拡大しているので、多様な顧客ニーズが生じている。だから、自社の強みが活かせる隙間(ニッチ)市場をカンタンに見つけられる。

「2つの山」はないか?

そこで【稼ぐ人】は、市場に2つの山がないかと、観察する。

山とは、顧客ターゲット層のこと。

2つの顧客ターゲット層が視界に入ったとき、あなたのビジネスには、想像を超える広大な裾野があったことに気づくことになる。

例えば、住宅販売の場合、ターゲット客は30代後半~40代前半、初めて住宅を買う層だと、多くの営業マンは答える。

しかし、よくデータを見ると、定年退職した60代が住宅展示場に足を運んでいる。孫たちと近くに住むために、土地ごと2区画分取得して、2世帯ごと引っ越すニーズが生じてきたからだ。

売る努力は同じでも、売上2倍

このニーズを捉えた会社は、「売る努力は同じでも、売上は2倍」という新しいビジネスモデルの突破口を開くことになる。

飲食業界にも、新しい山が現れた。インバウンドの拡大で、外国人観光客が増えた。日本滞在中に彼らをファンにできれば、観光客が帰っていくすべての国が、自社の海外展開の次なる有望市場になっていく。

もう1つ例を挙げると、美容室。最近では、学習塾の近くに美容室を開店するところが出てきた。

理由は、子育て世代のお母さんが近くに子どもを預けながら、美容室に行ける時間を確保できるからだ。

「母」と「子ども」の2つの山の裾野を押さえると、事業の寿命は、一気に延びる。

【貧す人】は、顧客ターゲット層を1つしか挙げられない。
その山は成熟期になると消えていってしまう。

【稼ぐ人】は、顧客リストという光景の中に、「新しい山はないか?」と常に問いかけている。
そして、その山を見つけたとたん、今までの顧客に提供してきた価値を、新しい顧客に提供することに夢中になるのだ。

(本稿は『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』の一部を抜粋・編集したものです)