さて、これら2タイプの本については僕もかなりゆっくり読んでいますが、ここでお伝えしたいのは、「速く読む必要がない本」は、決して多くないということです。

僕の場合、月50冊くらいのうち、せいぜい2~3冊程度で、割合にすると全体の5%以下といったところでしょうか。つまり、書評家としての僕が読んでいる本の9割以上は「速く読める本」だというわけです。

充実した多読生活は
「9対1の法則」がカギ

読書を習慣化するうえで重要なのは、「速く読める本」をたくさん読むようにすることです。

ゆっくり読みたくなるような本だけでなく、なるべくさっと読了できるような本も自分の読書リストに入れておくのです。

次々といろいろな本を読む環境をつくることで、「前に進んでいる感じ」をつくり出すことができます。読み終わった本がどんどん増えていく感覚は、読書を習慣化するうえで欠かせないモチベーションにつながっていきます。

目安としては、「速く読める本」が9割、「速く読む必要がない本」が1割の比率。この「9対1」の割合を意識しながら、読む本を選ぶようにしてみてください。

また、複数冊を同時に読むことも効果的です。「速く読む必要がない本」を読んでいるときにも、同時に「速く読める本」も用意しておくようにします。

たとえば、読書時間を60分間と決めたなら、最初の30分間にはゆっくり読む本、残りの30分間には速く読む本というように振り分けます。こうして時間を区切りながら複数冊を同時に読むと、それぞれの本を集中して読みやすくなりますので、ぜひ実践してみてください。

(第8回に続く 3/4公開予定)