「共助」の社会構築を目指し
若者に夢のある未来を残せ

 民主・維新の新党が若者に訴える政策として、自民党の「自助」に代わる、「共助」に基づいた福祉・社会保障政策を打ち出すことが考えられる。自民党の社会保障政策は、財政的・人的にカバーできないところを、最終的に「家族」であり「女性」が最終的に面倒を見るべきだと考えている。

 そのために、祖父母がいて、両親がいて、子どもがいる「標準的な日本の家族」を取り戻そうとしている。安倍政権が「三世代同居」を提案するのは、「自助」の政策志向を端的に示しているといえるだろう。また、「女性の家事と仕事の両立をサポートすること」を重視する女性活躍政策も、「家事」を女性が行うことを前提としている。

 しかし、若者は「標準的な日本の家族」の復活など無理だと思っている。彼らが望むのは、社会として親の世代の面倒を見るという「共助」の仕組みである(第122回・5p)。民主・維新の新党が訴えるべきは、「共助」に基づく社会保障政策を打ち立てることだ。

 ここで重要なことは、「無駄な公共事業などを削減すれば財源は確保できる」「増税は必要ない」と主張しないことだ。「失われた20年」の間、多くの政治家がバラ色のアピールをし、大衆迎合に走った(第73回)。だが、財政赤字は膨らむばかりだった。「今後こそ本気だ」と政治家が言っても、誰が信用するだろうか。

「共助」の社会の実現には、実現には高い税負担が必要であることを、逃げずに国民に説明することが、政治が信用を取り戻す第一歩なのである。10%を超える消費増税の必要性は言うまでもなく、所得税の再配分機能を取り戻すことや、法人税をさまざまな企業から幅広く集まられる仕組みの構築など、「共助」の社会づくりのための財源確保の仕組みづくりを構築すべきである、もちろん、社会保障のための税収増を事実上先送りすることになる「軽減税率」にも、当然反対の立場をとるべきだ。

 筆者の周りの大学生は、意外なほど年金や医療など社会保障の将来については不安を抱き、将来自分たちが負う重い負担のことを驚くほど真剣に考えている。彼らは現在のマジョリティではないが、「10年、20年後のマジョリティ」である。たとえ、7月の参院選に不利であったとしても、新党が長期的な戦略を持ち、自民党のオルタナティブを目指すならば、若者の真剣な問題意識に応えるべきだろう。

 民主、維新の幹部は、岡田氏、松野氏、江田氏、野田佳彦氏、枝野幸男氏、前原誠司氏ら、若い頃から苦労して基盤を築いてきた政治家が多い。大逆風が吹いた12年、14年の総選挙も勝ち抜いた選挙に強い政治家である。彼らこそ、「いいにくいこと」を言い続ける力量を持っている。彼らに望むのは、自らが権力の座に着くために右往左往することよりも、10年、20年先を見据えて、若者に夢のある将来を残すために、あえていばらの道を進むことである。