北千住の地名から思い出す足立区、北千住は奥州街道、日光街道の宿場町であった。23区最北端の区であり、北は埼玉と境を接し、四方を川で囲まれている。
つくばエキスプレス、日暮里・舎人ライナーなどの新交通システムが整備されたことから、今後大きな発展への期待を抱かせる。何と言っても、23区中第3位の広い面積と第5位の大きな人口を持っているため、足立区が飛躍するための条件はそろいつつある。
多くの川に囲まれる“陸の王者”
農業と陸運が他区よりさかんな地域
足立区は、その昔海辺に接していた低湿地帯の一部だったという。入江や湿原、また入り組んだ荒地であったと推定されている。区内には丘らしい高地がほとんどなく全体が平らで、北西部がやや高く、南東部に行くに従って緩やかに傾斜しながら下っている。
川の多い区でもある。四方を川で囲まれ、南に隅田川、西に荒川、新芝川、北に毛長川、そして東に中川、綾瀬川、垳(がけ)川が流れる。さらには、東京を水害から守るために開かれた人工河川の荒川放水路(現・荒川)が区を2つに分断している。
そうした地勢により、昔から足立区は農耕がさかんだった。主な生産物は、「花卉園芸(キク、チューリップ など)」「つまもの園芸(あさつき、むらめ、あゆたで、めかぶ など)」「野菜栽培(コマツナ、ホウレンソウ、ネギ、ダイコン、キャベツ など)」といったところだ。
総農家数の221は練馬、世田谷、江戸川に次ぎ第4位、専業農家数(販売農家)でも第4位である。ただ、1農家当たりの耕作面積では37.6a(アール)で第6位に甘んじる。概して小規模な農家が多いということだろう。