広告業界に就職したい
大学生の今と昔

 先日、広告業界志望のある大学生から、マーケティング業界の事情について質問を受ける機会がありました。彼は非常によく勉強していて、中には、こちらが「なるほど」と、思わずうなるような鋭い質問内容もありました。

 さすがはインターネット世代です。平素からネット上の情報収集に加えて、ソーシャルメディアでさまざまな業界関係者と情報を交換していますから、私たちが学生の頃とは比べ物にならないほど、豊富な情報量と知識を持っています。

就活生必見。広告会社が求める新デザイン力大学生の就職活動、今年は6月から選考開始 pixta_15479725

 2017年3月卒業の新卒学生の就職活動は、2016年6月に選考が開始され、それに先立って、3月1日から企業へのエントリーが始まりました。今年は選考開始日程が、昨年より2カ月前倒しとなります。

 今を遡ることおよそ30年ほど前、私は、大学でマーケティングを専攻していましたが、就職活動に際して、さきほどの大学生のように深く業界や企業の研究をしていたわけではなかったと思います。

 ただ、ゼミの仲間の多くが、マーケティングやコミュニケーションの領域で仕事をしたいという希望を持っていましたので、私も自ずとその方向に進んだという流れです。

 その当時、マーケティングやコミュニケーションの領域の仕事に就くといえば、(1)事業会社に入ってマーケティング部門を希望する、(2)広告会社に入る、(3)マスコミに入る、という、だいたいこの3パターンです。

 今でも、テレビ局や新聞社は人気の就職先ではありますが、その頃はマスメディアの全盛期。今とは比べ物にならないほどの存在感があり、その波に乗じて積極的にさまざまなチャレンジをしていた大手総合広告会社も、学生にとって憧れの職業の一つでした。

 しかし今の学生は、3つどころか相当幅広い選択肢からマーケティングやコミュニケーション関連の仕事を選ぶことができるようになりました。ITの登場が、業界の事情をがらりと変えたからです。