Q.アリの世界では、集団のなかに20~30%いると言われる “働かないアリ” が、集団が長く存続するために欠かせない存在であるという研究結果を、北海道大学が発表しました。働き者アリが疲れてくると、入れ替わりに怠け者のアリが働き始めるそうですが、堀江さんは、アリの世界も人間の組織も同じだと思いますか。

人間の世界でも下の2割は働かないよ
働き者が疲れても、働かない人は働かない

A.この「働かないアリ」の話題は、結構注目されているようです。

 人間の世界でも、下から2割くらいは働かない人がいて、しかし、その人たちを排除したとしてもやはり下位2割くらいは働かなくなってしまう。こうしいた言説は以前から言われていました。

 私は、実際にそういうことを体感したことはありませんし、また下位2割の人を排除するといったことは、現実的には難しいので、本当にこの説の通りになるのかどうかはわかりません。

 また、人間の組織において「働き者を怠け者がカバーする」といった現象に出くわしたことありません。人間の組織は複雑な要素が絡み合ってできていますから、働きアリの世界ほど単純ではないのでしょう。

 しかし、働きアリのような単純労働しかない世界を人間界に作ってみたら、もしかしたら同じような現象が起きるのかもしれません、ね。

 

Q.認知症の高齢者が増加しています。10年後には高齢者の5人に1人にお約700万人が認知症となるといった推計もあり、今後、高齢者の認知症に関連したさまざまな問題が予想されますが、堀江さんは認知症問題の解決の一助となるような新たなビジネスについてアイデアはお持ちではないですか。

まずは認知症にならないための予防が大事
なってしまっても治療する医学も進んでいる

A.純粋にビジネスとしてみれば、それなりに有望だとは思いますが、私はあまり興味がないです。この程度のビジネスチャンスは他にもたくさんあります。

 認知症に関して言えば、まずは予防促進が重要でしょう。つまりは、認知症になりにくい生活習慣を身に付けることです。

 多くの高齢者は自分がいま、生きている世界、環境がどんどん狭まっていくのだと思います。しかし、年を重ねても新しい人間関係を作っていけるような習慣を若いころからつけておくことが大事だと思います。

 それ以外にも、そもそも足腰ほか体の機能が弱くなると、生活の質が下がってしまい、それが認知症を誘発することになります。まずは、体の機能をしっかり維持することに気を配ることが大切でしょう。

 今日では、アルツハイマー病を根本的に治療するための研究も進んできています。アルツハイマー病は言ってみれば“脳のなかのゴミ掃除が上手くいっていない”ことがその原因ですが、それが起こるメカニズムも解明されつつあります。

 画期的な治療薬が開発されて、治療で治すことができる病気になる日も遠くないかもしれません。